金利局面別 セクターローテーション診断

業種は分けたのに、賭けは1本になっていませんか?

分類規則と計算式(全公開)

このページは、結果を見る前に読めるところに置いてあります。 ここに書いていない計算はしていませんし、ここに書いていない数字も持っていません。

このツールが持っていないもの
  • ・過去のセクター騰落率・平均リターン・勝率などの統計値(1つも持っていません)
  • ・金利・CPI・為替レートの値(すべて利用者の入力です)
  • ・実在の銘柄名と、銘柄→業種の対応表(受け取りも表示もしません)

理由は同じで、自分で集めて検算していない数字を、診断結果として配らないためです。過去30年ぶんのセクター騰落を自前で集めて検証していないので、「この局面ではこの業種が平均+◯%」は出せません。 数字が無くても「なぜその業種にその経路が効くか」は説明できるので、そちらを出しています。

1. 6本の経路と、押しの出し方

入力された数字を、それぞれ −2〜+2 の5段階に落とします。細かい数字を持たないのは、 年ごとに変わる係数を固定すると、根拠のない精度が出てしまうからです。

短期金利(政策金利)
元にする数字: 政策金利の いま − 1年前
+ の意味: 政策金利が上がっている / − の意味: 政策金利が下がっている
|変化| < 0.1%pt → 0 / < 0.4%pt → ±1 / それ以上 → ±2
長期金利(10年国債)
元にする数字: 10年国債利回りの いま − 1年前
+ の意味: 10年金利が上がっている / − の意味: 10年金利が下がっている
|変化| < 0.2%pt → 0 / < 0.6%pt → ±1 / それ以上 → ±2
イールドカーブの傾き
元にする数字: (10年 − 政策金利) の いま − 1年前
+ の意味: カーブが立っている(長短の差が広がった) / − の意味: カーブが寝ている(長短の差が縮んだ)
|変化| < 0.2%pt → 0 / < 0.6%pt → ±1 / それ以上 → ±2
景気の勢い
元にする数字: 利用者の判断(5段階)
+ の意味: 景気が強い / − の意味: 景気が弱い
強い +2 / やや強い +1 / 横ばい 0 / やや弱い −1 / 弱い −2(利用者の選択がそのまま押しになります)

ここだけ利用者の判断が入ります。景気の強弱を機械的に決める公表値が1つに定まらないためです。 代わりに、5通りすべてで局面がどうなるかを結果画面に必ず表示しています。

物価・コスト
元にする数字: コアCPI 前年同月比の水準
+ の意味: 物価が高い / − の意味: 物価が低い・下がっている
CPI ≧ 3% → +2 / ≧ 2% → +1 / ≧ 1% → 0 / ≧ 0% → −1 / マイナス → −2

2% を境にしているのは、日本銀行が「物価安定の目標」として公表している数値だからです。 統計から推計したものではなく、公表されている目標値をそのまま基準に使っています。

円相場
元にする数字: ドル円の 1年前からの変化率
+ の意味: 円安が進んでいる / − の意味: 円高が進んでいる
|変化率| < 3% → 0 / < 10% → ±1 / それ以上 → ±2

2. 局面の分類規則

局面のラベルは、スコアの計算に使っていません。 スコアは経路の押しから直接計算しています。局面は「いま立っている場所を言葉にする」ためだけに置いてあり、 分類が保留(移行期)になってもスコアはそのまま出ます。分類の誤りがスコア全体に波及しない構造にするためです。
金利の軸 = 短期金利の押し + 長期金利の押し (−4〜+4)
      ≧ +1 → 上昇 / ≦ −1 → 低下 / それ以外 → 横ばい
景気の軸 = 景気の押し (−2〜+2)
      ≧ +1 → 強い / ≦ −1 → 弱い / それ以外 → 横ばい
金利景気局面
上昇強い業績相場
上昇弱い逆金融相場
低下強い金融相場
低下弱い長短差の変化 ≧ 0.2%pt なら 金融相場、それ未満なら 逆業績相場
横ばい移行期(判定を保留)
横ばい移行期(判定を保留)

金利が下がっていて景気も弱いときに、金融相場と逆業績相場を長短差で分けているのは、 「利下げでカーブが立ってきたときは、先行きの回復を織り込み始めた形と読まれることが多い」という 市場で広く共有された読み方に沿ったものです。統計から出したしきい値ではありません。

金融相場金利が下がっている / 業績はまだ良くない

利下げや緩和が先に効いて、業績が回復する前に株価が動き始めるとされる局面。借入の重い業種と、将来の利益で評価される業種に追い風が向きやすい形。

業績相場金利が上がっている / 業績も良い

景気の回復にあわせて金利が上がっていく局面。金利上昇そのものより、需要の強さのほうが効きやすい形。

逆金融相場金利が上がっている / 業績は鈍っている

物価を抑えるために金利が上がる一方で、景気のほうは減速している局面。金利上昇の逆風が、需要の弱さと同じ方向に重なる形。

逆業績相場金利が下がっている / 業績も悪化している

金利が下がっていても、業績の悪化のほうが重く見られている局面。金利低下の追い風より、需要の落ち込みのほうが効きやすい形。

移行期(判定を保留)金利か景気のどちらかが横ばい

入力された数字が、4つの局面のどれか1つに寄っていない状態。無理にどれかに当てはめると、そのぶん外したときの説明がつかなくなるので保留にしている。下のセクタースコアは局面のラベルを使っていないので、移行期でもそのまま読める。

3. スコアの計算式

業種スコア (−100〜+100)
raw = Σ(経路の押し × その業種の感応度)
分母 = Σ|経路の押し| × 2
スコア = 100 × raw ÷ 分母
分母は「取りうる最大値」なので、全経路で最大の追い風なら +100、最大の向かい風なら −100 になります。 経路の押しがすべて 0 のときは分母が 0 になるので、スコアも 0 にしています(割り算をしません)。これは価格の変化率ではありません。+40 は「40%上がる」でも「40%上がりやすい」でもなく、無単位の目盛りです。
保有加重スコア
保有加重スコア = Σ(配分 × 業種スコア)
配分は「その業種の金額 ÷ 入力された合計」です。現金・預金も分母に入るので、待機資金が多いほど スコアは 0 に近づきます。
経路ごとの正味感応度 (−2〜+2)
正味感応度[経路] = Σ(配分 × その業種のその経路の感応度)
この値の絶対値が 0.8 以上のとき「一方に寄っている」と扱っています。
同じ向き / 反対向きの割合
正味感応度と同じ符号の感応度を持つ業種の配分を合計したものが「同じ向き」、 逆符号のものが「反対向き」、感応度 0 のもの(現金を含む)が「どちらでもない」です。3つを足すと 100% になります。 反対向きが 10% 未満で、かつ正味感応度の絶対値が 0.8 以上のとき、 「反対向きの受け皿がほとんど無い経路」として警告を出します。
スコア寄与
寄与[経路] = 100 × (正味感応度 × 経路の押し) ÷ 分母
6本を足すと保有加重スコアになります(業種ごとの丸めのぶんだけずれることがあります)。 「いちばん効いている偏り」は、この寄与の絶対値が最大の経路です。

4. 業種ごとの感応度(全18行)

業種区分は TOPIX-17シリーズ(東京証券取引所が公表している業種区分) に合わせています。感応度は −2〜+2 の5段階しか使いません。

カーブ(長短の差)の感応度を 0 以外にしているのは、短期で調達して長期で運用する業態(銀行・一部の金融)だけです。 他の業種にとって効くのは長期金利の水準のほうなので、カーブに小さい数字を振って 根拠のない精度を出すことはしていません。

業種短期金利長期金利カーブ景気物価円相場
食品000-1-1-1
エネルギー000+1+2+1
建設・資材-1-10+1-1-1
素材・化学000+2-1+1
医薬品0-10-10+1
自動車000+2-1+2
鉄鋼・非鉄000+2+1+1
機械-1-10+2-1+2
電機・精密0-10+2-1+2
情報通信-1-20+1-10
電力・ガス-2-20-1-2-2
運輸・物流-1-10+2-10
商社・卸売000+2+2+2
小売000+1-1-1
銀行+2+1+2+100
金融(除銀行)+1+2+1+10+1
不動産-2-20+100
現金・預金000000
食品
事業構造から説明できる
食料品・水産・農林・飲料など
景気(-1): 生活必需品なので需要が景気に左右されにくい。景気が強い局面では、伸びる業種と比べて相対的に見劣りしやすい。
物価(-1): 原材料が上がってもすぐには売価に乗せられない(価格改定に時間がかかる)ので、物価上昇局面では利益が先に圧迫されやすい。
円相場(-1): 小麦・大豆・飼料・水産物など、輸入に頼る原材料の比率が高い。円安は仕入コストの増加になる。
エネルギー資源
事業構造から説明できる
石油・石炭製品、鉱業(資源開発)など
景気(+1): エネルギー需要は世界の生産・輸送の量に連動する。
物価(+2): 原油・石炭などの資源価格そのものが売上に直結する。物価が上がっている局面は、多くの場合この資源価格が上がっている局面でもある。
円相場(+1): 原油はドル建てで取引されるため、円安は円換算の売価と在庫評価を押し上げる方向に働く。
建設・資材
広く共有された見方
建設、金属製品、ガラス・土石製品など
短期金利(-1): 工事の発注元(不動産開発・設備投資)が借入で動くため、調達金利が上がると案件が出にくくなる。
長期金利(-1): 長期の開発案件ほど長期金利の水準で採算が変わる。
景気(+1): 民間の設備投資・住宅着工の量に連動する。
物価(-1): 資材費と労務費の上昇はコスト増。工期の長い受注は、契約時の価格に後からコストを乗せにくい。
円相場(-1): 木材・鋼材など輸入資材の比率がある。

業種の中で割れる点: 公共工事の比率が高い会社は、民需より景気の影響を受けにくい。同じ業種の中でも民需型と官需型で効き方が違う。

素材・化学
事業構造から説明できる
化学、繊維製品、パルプ・紙など
景気(+2): 川上の素材なので、世界の生産量が増えれば数量が増え、減れば真っ先に減る。景気敏感(シクリカル)の代表格。
物価(-1): ナフサなど原料価格の上昇は、売価に転嫁するまでにずれがあるため、上がっている最中は利益が圧迫されやすい。
円相場(+1): 輸出比率と海外子会社の比率が高く、円安は円換算の利益を押し上げる方向。
医薬品
業種の中で割れる
医薬品(先発・後発・バイオ)
長期金利(-1): 利益が出るのがずっと先の開発パイプラインを抱えるほど、長期金利(将来の利益を今の価値に割り引く率)の影響が大きくなる。
景気(-1): 薬の需要は景気で増減しにくい。ディフェンシブ。
物価(0): 薬価は公定価格で決まるため、市中の物価とは連動しない。
円相場(+1): 海外売上の比率が高い会社が多く、円安は円換算の利益を押し上げる。

業種の中で割れる点: 国内中心の後発薬メーカーと、海外売上が大半の大手、利益がまだ出ていない創薬ベンチャーで効き方がまったく違う。長期金利の影響は創薬ベンチャーで最も強く出る。

自動車・輸送機
事業構造から説明できる
輸送用機器(完成車・部品・二輪・造船など)
景気(+2): 耐久消費財なので、買い替えを先送りできる。景気の強弱がそのまま台数に出る。
物価(-1): 鋼材・樹脂・電子部品・物流費の上昇はコスト増になる。
円相場(+2): 輸出と海外生産の比率が高く、円安は円換算の売上・利益を押し上げる。日本株で為替の影響がいちばん分かりやすく出る業種。
鉄鋼・非鉄
事業構造から説明できる
鉄鋼、非鉄金属
景気(+2): 建設・自動車・機械の生産量にそのまま連動する。景気敏感の代表格。
物価(+1): 市況品なので、原料が上がる局面では売価も上がる。ただし原料の値上がりが先に来て売価が後から追いつくため、上がり始めは利益が圧迫される。
円相場(+1): 輸出比率があり、また国際市況がドル建てで決まるため円安は円換算の売価を押し上げる。
機械
事業構造から説明できる
機械(工作機械・建設機械・産業機械など)
短期金利(-1): 顧客の設備投資は借入で行われることが多く、調達金利が上がると発注が先送りされやすい。
長期金利(-1): 設備投資の回収期間が長いため、長期金利の水準が投資判断に効く。
景気(+2): 設備投資は景気に遅れてついてくるが、振れ幅は大きい。
物価(-1): 鋼材・部品コストの上昇。受注から納入まで時間があるぶん、転嫁が遅れやすい。
円相場(+2): 輸出比率が高い。円安は円換算の利益を押し上げ、価格競争力にも効く。
電機・精密
業種の中で割れる
電気機器、精密機器(半導体製造装置・電子部品を含む)
長期金利(-1): 将来の成長を織り込んだ株価(高PER)の銘柄を多く含むため、長期金利の上昇は評価の重しになりやすい。
景気(+2): 半導体・電子部品はサイクルの振れが大きく、世界の設備投資と最終需要の両方に連動する。
物価(-1): 材料費・エネルギー費の上昇はコスト増。
円相場(+2): 輸出比率が高い。円安は円換算の利益を押し上げる。

業種の中で割れる点: 半導体製造装置のようなサイクルの大きいものと、白物家電のような安定したもの、BtoB の電子部品が同じ業種に入っている。平均としての向きだと思って見る。

情報通信・サービスその他
業種の中で割れる
情報・通信業、サービス業(通信キャリア、ソフトウェア、ネット、人材など)
短期金利(-1): 通信キャリアは設備投資のための借入が重く、調達金利の上昇が効く。
長期金利(-2): この業種は、金利上昇に弱い2種類が同居している。ひとつは利益が先にあるグロース株(将来の利益を割り引く率が上がると評価が下がる)、もうひとつは高配当・借入の重い通信キャリア(債券の利回りが上がると相対的な魅力が落ちる)。向きは同じなので、業種としては長期金利の上昇に弱い。
景気(+1): 広告・人材・システム投資は景気に連動する。一方で通信料は景気で減らない。
物価(-1): 人件費とクラウド利用料の上昇がコスト増になる。

業種の中で割れる点: TOPIX-17 の中でいちばん中身がばらばらな業種。通信キャリアとネット企業とSIerと人材会社が同じ枠に入っている。ここが保有の大半を占めている場合、この平均値はあまり当てにならない。

電力・ガス
事業構造から説明できる
電気・ガス業
短期金利(-2): 設備が巨大で借入が非常に重い。調達金利の上昇が直接コストになる。
長期金利(-2): 高配当で値動きが小さいため債券の代わりに買われやすく、債券の利回りが上がると相対的な魅力が落ちる。
景気(-1): 電気・ガスの需要は景気でほとんど増減しない。ディフェンシブ。
物価(-2): 燃料費が最大のコスト。料金への反映には制度上の時間差があるため、燃料が上がっている最中は利益が削られる。
円相場(-2): 燃料(LNG・石炭・原油)をほぼ全量輸入している。円安は直撃する。
運輸・物流
業種の中で割れる
陸運、海運、空運、倉庫・運輸関連
短期金利(-1): 鉄道・航空は設備が重く、借入の比率が高い。
長期金利(-1): 鉄道は高配当・安定型として買われる面があり、債券利回りの上昇で相対的な魅力が落ちる。
景気(+2): 荷動きと人の移動の量にそのまま連動する。
物価(-1): 燃料費が大きなコスト。運賃への転嫁には時間がかかる。
円相場(0): 円安が逆風になる(燃料の輸入コスト)側面と、追い風になる(海運の運賃はドル建て、訪日客が増える)側面が同じ業種の中で逆を向くため、平均としては 0 に置いている。

業種の中で割れる点: 陸運(鉄道・宅配)と海運はほとんど別の商売。特に円相場と景気の効き方が逆になることがある。海運を多く持っている場合、この平均値は当てはまらない。

商社・卸売
事業構造から説明できる
卸売業(総合商社・専門商社)
景気(+2): 取扱数量が世界の生産・貿易の量に連動する。
物価(+2): 資源権益の持分利益があるため、資源価格の上昇がそのまま利益に乗る。物価上昇局面で追い風になる数少ない業種。
円相場(+2): 資源権益と海外事業がドル建てのため、円安は円換算の利益を押し上げる。

業種の中で割れる点: 資源を持たない専門商社は、資源価格の恩恵をほとんど受けない。ここは総合商社を念頭に置いた向きになっている。

小売
業種の中で割れる
小売業(スーパー・コンビニ・専門店・百貨店など)
景気(+1): 個人消費の量に連動する。ただし業態によって、景気が悪いときに客が増える側(ディスカウント)もある。
物価(-1): 仕入コストの上昇に加えて、物価上昇で家計の実質所得が目減りすると買う量そのものが減る。売価は上げられても数量が落ちる。
円相場(-1): 輸入品の仕入コストが増える。訪日客の売上が大きい業態では逆に追い風になる。

業種の中で割れる点: 百貨店・インバウンド比率の高い業態は円安が追い風になるため、この業種の中で為替の向きが割れる。

銀行
事業構造から説明できる
銀行業(メガバンク・地銀)
短期金利(+2): 政策金利の上昇は、貸出金利と日銀当座預金への付利にそのまま乗る。預金金利の引き上げは遅れるため、その差が利ざやになる。
長期金利(+1): 国債などで運用する利回りが改善する。ただし、すでに持っている債券には評価損が出るため、追い風の出方は時間差がある。
カーブ(+2): 短期で預金を集めて長期で貸すのが商売なので、長短の差が広がるほど1件あたりの利ざやが厚くなる。カーブの傾きが直接効く数少ない業態。
景気(+1): 景気が良いと貸し倒れが減り、与信費用の戻しが利益になる。
金融(除く銀行)
業種の中で割れる
証券・商品先物、保険、その他金融業(リース・消費者金融など)
短期金利(+1): 運用利回りの改善。ただしリース・消費者金融は調達コストの増加が先に来る。
長期金利(+2): 生保・損保は長期の負債(保険契約)に対して長期債で運用しているため、長期金利の上昇が運用利回りの改善に直結する。この業種でいちばん効く経路。
カーブ(+1): 運用と調達の期間差で稼ぐ部分があるため、カーブが立つと有利になる。
景気(+1): 証券は売買代金と株式相場の水準に連動する。
円相場(+1): 外貨建ての運用資産を持つため、円安は円換算の資産額を押し上げる。

業種の中で割れる点: 生損保・証券は金利上昇が追い風だが、リース・消費者金融は調達コストが上がるぶん逆風になりやすい。業種の中で向きが割れる。

不動産
事業構造から説明できる
不動産業(デベロッパー・不動産賃貸・J-REIT運用会社など)
短期金利(-2): 借入で物件を持つ商売なので、変動金利の上昇がそのまま支払利息の増加になる。
長期金利(-2): 物件の値段は「賃料 ÷ 期待利回り」で決まり、長期金利が上がると期待利回りも上がるので物件価格の重しになる。J-REIT の分配金利回りも、債券利回りが上がると相対的な魅力が落ちる。
景気(+1): オフィス需要・住宅販売は景気に連動する。
物価(0): 物価の上昇は賃料と物件価格を押し上げる要因でもあり、同時に金利を通じた逆風の要因でもある。どちらが勝つかは局面によるため 0 に置いている。
現金・預金
事業構造から説明できる
待機資金。どの経路にも動かされない枠として置いている。

業種の中で割れる点: 円建ての現金は、ここで見ている6本の経路では動かない。ただし物価が上がっている局面では、買えるものの量(購買力)は減っていく。それはこのツールが測っている「評価額の動きやすさ」とは別の話なので、感応度は 0 のままにしている。

5. このツールの限界

業種の平均でしか見ていない
6 つの業種(医薬品・電機・精密・情報通信・運輸・物流・小売・金融(除銀行))は、中で企業ごとに効き方が割れます。その業種が保有の大半を占めている場合、平均値はあまり当てになりません。 銘柄の単位で見たいときは マクロ感応度 統合ダッシュボード を使ってください。
経路どうしが同時に動くことを織り込んでいない
実際には、金利が動く日には為替も景気の見方も同時に動きます。ここでは6本を独立に足しているので、 同時に動いたときの効き方とは違います。足し算にしているのは、 どこがどう効いたかを1本ずつ追えるようにするためです。
株価がすでに織り込んでいるぶんを引いていない
利上げが続いている局面では、金利上昇の影響が株価にすでに入っていることがあります。 このツールは「構造としてどちらを向くか」だけを見ているので、 どこまで織り込み済みかは分かりません。
景気の向きは利用者の判断
6本のうち1本(景気)は、あなたの選択がそのまま押しになります。 そのぶん結果は選択に依存します。依存の度合いを隠さないために、 5通りすべての局面を結果画面に出しています。
偏りを減らすことが正解とは限らない
狙って寄せているなら、それは意図した賭けです。このツールは 「寄っていることに気づいていない状態」を減らすためのもので、 寄せてはいけないとは言っていません。

6. 改定について

感応度・しきい値・業種区分は lib/sectors.ts の1ファイルにまとまっています。改定するときはそこだけを差し替え、 判定エンジンのバージョンと突き合わせ日を全画面のフッターに出します。 いまのバージョンは 1.0.0(突き合わせ: 2026-08-10)です。

診断に戻る
相場予測ではなく、過去整理・参考表示です。 本ツールは、相場が今後どちらに動くかも、次にどの局面へ進むかも予測しません。また「この局面ではこの業種が過去に平均◯%上がった」という統計を1つも持っていません(自分で集めて検算していない数字を、診断結果として出さないためです)。出しているのは、あなたが入力した 金利・物価・為替の「向き」と、業種の事業構造から説明できる感応度を掛け合わせた、無単位のスコアと配分の内訳だけです。 最終的な判断はご自身の責任でお願いします。個別の商品選択や資産設計についてはFP・金融機関にご確認ください。